活動レポート

費用弁償復活に思う(2)

 横浜市の財政状況は、最悪期から転じたとはいえ、外郭団体などの部分も含めれば市債残高が5兆円程度あります。大変厳しい状況です。景気も上向かず、市税収入も伸び悩んでいます。当然かつてのようには市民への行政サービスの提供はできない状況です。震災以降の市民税その他の値上げもあります。来年度には、消費税率の引き上げに伴う市民負担の増も予定されています。市民には各種の負担をお願いする中で、自ら待遇に関する決定権を持つ議員が、自分たちだけは、議員活動に必要だからとこうした手当の復活を決めることは市民の理解が得られるのか。あるいは市民の理解を得られるような合理的な説明が出来ているのか。7月より私たち特別職も、市職員の皆さんと並んで期間限定とはいえ、歳費の削減を行っています。その一方で、早くも自分たち議員だけが手取りが増加する今回の条例改正では、市民理解はもちろん職員の皆さんの理解や信頼性も得られないのではないでしょうか。
   
 今回の費用弁償復活に関連して、財政状況のことは仮に横において、今回の算定基準の根拠はどうなのかも考えたいと思います。私の場合は、一回当たり3千円の支給を受けます。でも実際、私は、市営地下鉄利用でセンター南駅から登庁しているので往復640円しか費用がかかりません。差額の2千360円は何なのか。市民から説明を求められたなら、なんと言えばいいのか。4年間の任期中には、もちろん都筑区から関内の市庁舎に行くのに、車を使う場合もあるかもしれません。でもガソリン代が高い折とはいえ、それでも3千円はかからないでしょう。いったいどれだけの燃費の車で行くことを想定しているのか。

 条例改正案議決の際、一律定額の理由を提案者側から“事務手続きの簡素化を図るため”という説明がありました。世の中には実費相当額という言葉があります。これは通勤などの交通費に限定して考えれば、いちいち実際にどういった交通手段や経路で行くかは分からない、つまり実際にいくらかかったか分からないけれど、自宅から“最安値、最短経路の公共交通換算で精算を行う”こととなると思います。決して、そこにタクシー代や寄り道経費代を含めることはないと思います。そんな経費まで気前よく交通費に入れてくれる景気の良い会社は皆無でしょう。もしそういった経費を実際にかかったとしても請求したら、経理にどやされるのではないでしょうか。

 私は、公と私の区別をつける意味から、費用弁償自体が支給されることはおかしなことだとは思いません。本市の財政状況をしっかり認識しながら、議員にかかわる歳費その他の諸経費トータル額を増やすことなく、費用弁償を復活させることはあり得ると考えています。ただし問題は妥当性、合理性です。例えば、車で登庁する人の場合は、まず市場調査を行い、市民に理解していただける範囲で、自宅から市庁舎まで直線距離で、1キロ当たりガソリン代何円支給とする。妥当なガソリン代の算出や直線距離を出すのが難しかったり、登庁する毎に経路や交通手段が異なる議員がいたりする場合もあるでしょう。仮に事務手続きの煩雑さの主張に百歩譲るなら、いちいちの経路や交通手段にかかわらず、一律、自宅から庁舎まで公共交通で来た際にかかる費用を支給する、とすればいいのです。もちろんこの場合の支給額は、最安値、最短経路で計算です。それを任期の始めに自己申告する。私の場合は、市営地下鉄センター南駅から関内までの往復640円です。この形でやれば事務手続きのコストも不要になりますし、おそらくすべての議員が、今回支給されることになった費用弁償額より、ずっと少ない額で済むはずです。

 日本社会全体に言えることですが、今後、生産年齢人口割合が減っていく流れの中で、本市を含め自治体の財政的余力に甘い期待はできません。市民に提供すべき行政サービスも精査しなければいけません。同じサービスを提供するにも、よりコスト安で済む方法を取り入れていかなければいけません。そうしたことを行政と一緒になって考えなければいけない議会、あるいは行政に対して強く求めていかなければいけない議会が、今回のようにある意味、お手盛り、どんぶり勘定と思われても致し方ない形で、費用弁償復活を決めたことは残念でなりません。

 最後に費用弁償に関連して、議員によって委員会への開催日数に違いがあるので調整すべきだ、との主張をされる議員もおられるようなので、これについて私見を述べます。確かに委員会によって開催日数の違いがあります。一回に開かれる委員会の長さに違いもあります。昨年、所属した健康福祉・病院経営委員会は一日がかりになることが多かったですし、本年度の政策・総務・財政委員会は、開催日数が多くなっています。しかしこれは職務を行うのに要した費用を補償する“費用弁償”で対応する話ではありません。この点を調整するならば、各月ごとの基本給を定め、それに加えて本会議・委員会1回あたり○○円支給とすればいい話です。要するに調整給的な制度を取り入れることです。ただしこれを取り入れるにあたって必須なのは、議員一人当たりが受け取る年間歳費が、現状より増えることのないようにすることです。

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