活動レポート

熊本の震災の経験を本市の減災対策に,いかに生かすか。

 本年4月14日以降に発生した熊本県を中心とする一連の地震で、被災地では人的、物的両面で大きな被害が出ました。私は、5月上旬過ぎに飛行機で熊本県入りし、被災状況を確認してきました。空港に近づくにつれ機上から眼下に確認できる多数のブルーシートを掛けた家屋。現地を回ると、とりわけ倒壊家屋が目立った震度7を観測した益城町。被害を目の当たりにし、大変な状況にあることを実感しました。
 被災地の一刻も早い復旧、復興を願うとともに、こうした地震災害は、いつ関東地方を襲うとも限らないので、本市の震災への備えを一層、充実させ、着実にいざという時の減災につながる対策を当局と進めていくことが、市会議員としての責務と感じています。
 継続的な熊本県をはじめとする被災地支援を行いつつ、常に、こうした震災の教訓を生かした、実践的な災害対策を本市で準備していくことが責務と考えています。

 本市には、既に震災や風水害に備えたかなり内容の充実した防災計画があります。ただし不足はないかとか、対応計画はいいが実践できるのかとか、あるいは改善の歩をもっと早めるべきではないかとかの視点で、総ざらいする必要があります。
 先日、私は本会議一般質問に登壇しましたが、いま申し上げたような観点で、震災関連で、次の4点について質問と提言を行いました。

第1点目は、公共施設全体の現在の耐震化率と、100%達成時期の目途。
 市区庁舎や消防署、地域防災拠点、学校屋内運動場など、災害対策本部や避難所の役割を求められる、これらの施設が被災すれば、大きな支障が生まれます。一方で本市防災計画は、「平成27年度までに公共施設の特定建築物の耐震性能を100%確保し、公共施設全体では90%以上の耐震化を目指す」としています。そこで、公共施設全体の最新の耐震化率はどの程度か、そして、100%を早期に達成すべきなので、その目途を質しました。
 当局の回答は、概ね必要な施設の耐震化が済んでいるし、残る施設も耐震化を含む工事中というものでした。それは非常に良いことです。
 今後は民間の住居やオフィス、商業施設なども含めた市域全体の建築物の耐震化をさらに促進していくとともに、防災ベッドやシェルターなども活用した総合的な命を守る生活環境造りを図っていくよう進言します。

第2点目は、災害拠点病院を主とする、災害時に重要となる病院の耐震化。
 防災計画にある「地震被害想定調査報告書」に基づく元禄型関東地震の被害想定では、3千2百人余の死者、2万人を超える負傷者、3千近くの重傷者を見込んでいます。災害医療への備えもできうる限り整えなければいけません。市内には、重症者を受け入れる災害拠点病院が13か所、中等症の負傷者などを受け入れる災害時緊急病院が102か所あります。
 災害時医療の提供には、医師などの医療従事者が必要なのは当然として、医薬品の調達、患者搬送体制の確保、電源その他のインフラの維持など、課題がたくさんあります。一つ一つの本市の対応計画の確認は、別の機会に行っていきますが、今回、特に病院機能を維持していく上で必要不可欠な施設の耐震化は、現時点でどういう状況にあるか確認しました。もし防災計画上、弱点があるなら、早急に対策を進めていかなければいけません。
 平成25年の改正耐震改修促進法では、旧耐震基準で建築された3階以上かつ5千平方メートル以上の大規模な病院などの不特定多数の方が利用する施設に、昨年12月末を期限とする耐震診断・結果報告が義務付けられ、耐震診断結果は、公表していくことになっています。
 質問としては、災害拠点病院や災害時緊急病院などの耐震診断を義務付けられた重要な病院の診断状況と今後の対応の回答を求めました。
 事前ヒアリング並びに回答からは、この災害医療確保にあたっての重要病院の耐震化の促進は急務、早急に改善を図る必要があると判断しています。担当局には、早期の対応と改善並びに、進捗報告を求めていきます。

第3点目は、元禄型関東地震の発生時の透析医療。
 市内には8千人を超える腎機能障害のある方がおられます。その多くの方が、週3回程度の透析治療と付随して大量の水を必要とします。大規模発災時に、医療器具を動かす電源をどう確保するかや大量に必要とする水をどうするかなど、透析治療を必要とする方が、治療を受けられないことは、命の問題に直結しますから最重要課題です。
 熊本地震では、断水や停電、施設の損傷で、透析治療を提供できなくなった医療機関が出ました。東日本大震災では、透析患者を被災地から遠隔地へと退避させて、治療を継続する方法もとられました。
 では、本市では、想定しているような規模の震災に見舞われた際の、透析医療機関の被害状況の把握から始めて、肝心な最終的な患者対応、治療の確保をどうしていくのか。
 この点は、当局の回答では充分とは思えませんでしたので、今後、改善を強く求めていきます。そして透析患者さんへの対応は一つの例であって、他にも様々な課題を抱えた発災時、医療弱者がおられますので、余すことなく災害医療の充実を求め、提言していきます。

第4点目は、発災時の市民の水確保。
 防災計画によると、元禄型関東地震が発生した際には、全戸数の25%に相当する約40万戸で断水が発生すると想定されています。市民は、自助として最低限必要な飲料水(1日3ℓ×3日分以上)を備蓄しなければいけませんが、水供給の責任を担う水道局の取り組みは、重要です。
 本市のハード面である水道施設の耐震率は、27度末で、浄水施設で43%、配水池等で86%、基幹管路で67%、送・配水管で23%です。このままでは、命をつなぐ一番大切な水の確保に、元禄型震災発生時、かなりの不安を残します。そうならないために、私は、今回、当局に発災時の市民の水確保に向けて、水道施設耐震化の課題をどう認識しているのか、今後どう対応していくのか質しました。
 この点も、当局回答を待つまでもなくかなりの課題があると私は、判断しています。継続的に着実な改善を求めていきます。

 昨今、風水害も含め、進めなければいけない災害対策が多数あります。どれもお金や時間を必要とし、一足飛びにはいきませんが、今回の熊本地震も一つの契機としながら、着実に本市の震災対策を前に進めるよう、市会議員として市長並びに当局に要求していきます!

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